忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[652]  [510]  [638]  [651]  [637]  [650]  [636]  [649]  [635]  [648]  [634
小山清(講談社)

 太宰治にその才能を愛されたという筆者の短編集。
 ごく普通の人々の生活を、飾らない、ほとんど素っ気無いと言ってもいいほどの言葉で描いている。静謐で美しい文章である。

 『落穂拾い』、『日日の麺麭』といった短編も素晴らしいのだが、太宰について書いた『風貌』という作品がまた良い。
 筆者が初めて太宰を尋ねて行ったときのこと。
 作品に対する太宰の評……「僕がいいと云えば、天下無敵だよ」。
 金を無心したら、太宰はスズランの花を小切手に同封したという。
 それらのエピソードが、太宰に心酔している私の心には感慨とともに染み入ってきた。
 筆者を思いやる太宰の優しさ。ふとした拍子に見せる茶目っ気のある態度。鬱々として人生を楽しめなかったような印象のある太宰だが、心を開いた相手にはなかなか愛嬌のある人物だったらしい。
90点
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[01/30 まきまき]
[01/30 もか]
[01/23 まきまき]
[01/23 ぴーの]
[01/16 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]