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雀の手帖

幸田文(新潮社)

 1月から5月までの100日間、毎日書き続けた随筆。

 何気ない日々を、肩肘張らない筆致で書いていて、寝る前にちょこちょこ読むのにちょうど良い具合の本であった。
 筆者の、言葉がとにかく優しいのである。
 風呂の湯加減はなかなか難しい……「ちゃらっぽこな気持ちややりかた」で失敗しているわけではないのに。
 がさがさの老婆の手……「美しいに越したことはないが、なあに、すっきりしていれば鬼の手は上々だ」。
 2月末、ずいぶん春に近付いた……「遠い汽車の笛などもぷおうと曳くように聞こえる」。
 こういう人と暮らしてみたいな、そうだ、母親だったらいいだろうな、と思わせる随筆であった。
80点
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