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よしなしごとども 書きつくるなり
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栗田有起(集英社)

 プロの仕立て屋テルミーこと照美。15歳のとき故郷をあとにして歌舞伎町へやってきた彼女。最初は水商売のかたわら縫いものをしていたが、お店の歌手であるシナイちゃんに注文をもらってから、次第に仕立ての依頼が増えていき……。

 どうもつまらなそうだな、と思いながら読み始めたが、予想は裏切られた。
 テルミーの生き方は「?」な部分も多いが、自分の力で自由を得るあたりの展開は胸がすく思いがした。シナイちゃんに寄せる切ない思いも、よく伝わってきた。
 ひるがえって、なぜ「つまならそう」と思ったか考えたのだが、この作品は題名で損をしているのではないだろうか。「お縫い子」という古めかしい言葉が、とっつきにくさを感じさせた。
85点
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