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よしなしごとども 書きつくるなり
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小泉吉宏(幻冬舎)

 全五十四帖の源氏物語。一帖を見開き二頁の漫画にしたのが本書。
 漫画の書評を載せることに迷いがあったが「文芸」のベストセラーリストに載っていたので良しとしよう。
 とにかく分かりやすく、が作品のコンセプトだと思うが、それでも誰が誰やら訳がわからなくなってくる。

 しかしながら、この時代の色恋沙汰は、なんて面倒な駆け引きだらけだったことか。
 思いを寄せる女性にはいちいち歌を詠み、しかもセンスのあるものでないと鼻で笑われてしまうのである。
 加えて、身分と立場をわきまえなくてはいけないし、短命だし、常に「出家すること」が頭の片隅にあるし。
 ああ、まろ、大変そう……でも栗顔のまろは恋愛の苦悩さえ楽しんでるように見えてしまうから不思議である。
75点
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