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よしなしごとども 書きつくるなり
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桐野夏生(集英社)

 母親に捨てられ娼館で育ったアイ子。中年となった彼女は悪事の限りを尽くす。窃盗、放火、殺人……邪魔者は消すという考え方の彼女の行き着く先はどこか。

 アイ子のあまりの毒婦っぷりに、寝る前にはとても読む気になれなかった。実は私の身近にこんな女性がある時期存在したのだ。もちろん殺人まではしてなかったと思うが、舌先三寸で言いくるめるのが得意で、他人は騙すが猜疑心が強く、性欲の塊で、おまけに大柄小太り。思い出すだけで気分が悪くなる。
 閑話休題。
 アイ子は「育ちが悪い」と言われるのが一番頭にくるという。生い立ちは自分では変えられないことなので、そこには唯一共感できた。しかし、それは犯罪の免罪符には決してなり得ない。
 終盤で彼女には「衝撃の真実」が告げられ腑抜けのようになっていたが、正直ザマーミロと思ってしまった。こんなに主人公の破滅を期待した小説はいまだかつて無かったかもしれない。
85点
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