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よしなしごとども 書きつくるなり
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京極夏彦(中央公論新社)

 日がな一日、納戸に籠って一寸五分ばかりの隙間から覗き見をしている小平次。
 何の取柄もない彼だが、一つだけ幽霊芝居だけは他の追随を許さなかった。観るものを必ずやぞっとさせる彼の芝居。あるとき、その腕を買われて殺人犯を自白させるための企みに駆り出されるが……。

 普段、碌に口も利かない小平次が、訥々と自分の過去を語る「九化(くばけ)の治平」の章がいい。
 話の相手を務める治平はならず者で、舌先三寸で生きてきたような男だ。だが彼は小平次にいくつかの生き方の指針のようなものを与える。
 「本当の自分だとか真実の己だとか、そんなものに拘泥する奴は何より莫迦だ。そんなものァねえ」。
 確かにそうかもしれない。
85点
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