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よしなしごとども 書きつくるなり
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桐江キミコ(小学館)

 十二の短編が収められているのだが、どれも味わい深くていい作品であった。
 一つ目の『お月さん』。
 無用にデカい、OLの桜子さん。ゾウアザラシみたいな桜子さん。部長に怒られてばかりの桜子さん。彼女が会社を辞めたとき、変わったことと変わらなかったこととは……。

 あまりに身につまされる話で、心がキリキリと痛んだ。ただ大柄というだけで、実際より鈍くさく思われたり、歩き方を「のっしのっし」なんて形容されたりするのだから堪らない。
 彼女は傷付けてもいい存在だと言わんばかりの語り手の残酷さに、ぞっとした。
 他に、女手一つで子どもを育てている、バーのマダムの話『薔薇の咲く家』も哀しい物語であった。幼稚園のママたちのひそひそ言い合う声が、行間から立ち上るようだった。
95点
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