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風花

川上弘美(集英社)

 結婚して七年ののゆりは、夫である卓哉に愛人がいることを知る。卓哉は離婚をほのめかすが、のゆりにはその決心がつかない。ずるずると時だけが過ぎてゆくのだった……。

 のゆりというのは、どこか鈍くて、そのことに自身甘えているようなところがあって、でも本人はきっと「甘えてなんかいません。」と断言するであろう、そんな女性なのである。こういう主人公は読んでいてつらい。イライラする。
 極め付けは、卓哉にプライドはないのかと詰め寄られるシーンだ。そのあとののゆりの行動はまったく理解できないし、もっといえば気持ち悪い。
 終盤で、のゆりは唐突に離婚を決意する。が、それも「自分が離婚を切り出せば逆に卓哉は別れられないに違いない」と踏んでの行動のような気もする。天然ボケならぬ天然計算女……それがのゆりの正体だと思った。
 だが、そこはそれ川上作品、興味をそそるエピソードが巧みに盛り込まれ、主人公に嫌気が差しつつも最後まで読みきることができた。
75点
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