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水声

川上弘美(文藝春秋)

 都(みやこ)と陵(りょう)は1歳違いの姉弟。1969年、子どもだった頃の2人の記憶。パパと、すでに亡くなったママの思い出。都の友だち、奈穂子との出来事も積み重なってゆく……幾重にも。

 やたらと興奮したり、無駄に饒舌だったりする人は、ひとりも出てこない。ゆっくりと、流れるように小説の中の時は過ぎてゆく。それはいつもの川上氏の作風で、安心して読めるはずなのだが、なぜか心がざわざわした。
 物語の核なので詳しくは書けないが、やはり都と陵の特殊な関係性が、そうさせるのであろう。
 ママの、死に至るまでの独特な言動もまた、不穏な空気を醸し出す。
 くわえて、時系列があちこち動くのも、落ち着かない要因であるような気がした。
 伊坂幸太郎氏や宮部みゆき氏と比べると、場面展開の鮮やかさに欠ける(えらそうに申し訳ない)。
70点

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