忍者ブログ

天頂より少し下って

川上弘美(小学館)

 短編集。『壁を登る』が良かった。
 母親の綾子さんと二人暮らしをしているまゆ。綾子さんはときどき変な人を家に連れてきては住まわせた。ホームから飛び込み自殺をしようとしていた母子。次は口うるさいおじいさん。三番目は五朗。彼は綾子さんの腹違いの弟だという……。

 奔放な綾子さんに振り回されながらも、なぜだか楽しげなまゆ。こういうふうに繋がっている母子って羨ましい。飄々とした五朗が醸し出す雰囲気もいい。家事がちゃんと出来たり、そうかと思えば壁によじ登ったり。
 どの短編にも言えることなのだが、ちょっとずつおかしな登場人物たちが、個性を振りかざすことなく自由に動き回っている。その押し付けがましくない感じがとても好ましかった。
80点
PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

カレンダー

09 2025/10 11
S M T W T F S
1 2 3
5 6 7 8 9 11
12 14 15 16 18
19 20 21 22 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[10/01 まきまき]
[09/30 ぴーの]
[09/13 まきまき]
[09/13 ぴーの]
[09/03 まきまき]

プロフィール

HN:
まきまき
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析