川上弘美(マガジンハウス)
短編集。
「コーヒーメーカー」が良かった。
恋人である中林さんに、会いたくて仕方がない杏子の一週間。本の帯にも書かれている一節が、とても印象深かった。
『あいたいよ。あいたいよ。二回、言ってみる。それからもう一回。あいたいよ。』
簡潔に、ただただ簡潔に心情を述べているだけっぽいのに、この切なさはどうだろう。
言葉を飾らなくても心に響く文章は書ける、ということの見本のような一節ではないだろうか。
他に、その後の杏子を描いたと思われる「山羊のいる草原」も良かった。人の心の移ろいを、静かに丁寧に描いていて、良かった。
80点
短編集。
「コーヒーメーカー」が良かった。
恋人である中林さんに、会いたくて仕方がない杏子の一週間。本の帯にも書かれている一節が、とても印象深かった。
『あいたいよ。あいたいよ。二回、言ってみる。それからもう一回。あいたいよ。』
簡潔に、ただただ簡潔に心情を述べているだけっぽいのに、この切なさはどうだろう。
言葉を飾らなくても心に響く文章は書ける、ということの見本のような一節ではないだろうか。
他に、その後の杏子を描いたと思われる「山羊のいる草原」も良かった。人の心の移ろいを、静かに丁寧に描いていて、良かった。
80点
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