吉田知子(中央公論社)
短編集。8つの短編が収められている。
『泳ぐ箪笥』が良かった。夫の盆栽を嫌い、こっそりガレージ整理に出していた照子。出せば出すだけ捌けていく盆栽。やがてガレージ整理はとんでもない事態へと向かう……。
他の短編もそうなのだが、いつの間にか日常が非日常になっていく過程が、さらりと描かれている。「あれ?」と思ったときにはもう異界の入り口に立っているという寸法。
だいたいカレージセールじゃないのか? タダだから「セール」じゃない? なんて疑問も置き去りにされたまま、家中のものが整理されてゆく。座っていた座布団まで取られ、ここまでくるとコントの世界。
ぞっとして、ふふっと笑える、そんな作品が揃っている一冊。
70点
短編集。8つの短編が収められている。
『泳ぐ箪笥』が良かった。夫の盆栽を嫌い、こっそりガレージ整理に出していた照子。出せば出すだけ捌けていく盆栽。やがてガレージ整理はとんでもない事態へと向かう……。
他の短編もそうなのだが、いつの間にか日常が非日常になっていく過程が、さらりと描かれている。「あれ?」と思ったときにはもう異界の入り口に立っているという寸法。
だいたいカレージセールじゃないのか? タダだから「セール」じゃない? なんて疑問も置き去りにされたまま、家中のものが整理されてゆく。座っていた座布団まで取られ、ここまでくるとコントの世界。
ぞっとして、ふふっと笑える、そんな作品が揃っている一冊。
70点
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