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遠藤周作(新潮社)

 通商を始めるためにノベスパニヤ(メキシコ)に使者が派遣されることになる。格式ひくい武士である「侍」のほか、幾人かの使者衆、通訳兼宣教師のベラスコが同行する。
 行く先々で苦難に遭遇し、ぼろぼろになった彼らが最後に見たものは、一体何だったのか。

 侍・長谷倉の絶望もいかばかりだったかと思うが、宣教師ベラスコのそれのほうに心を捉えられた。日本という国にキリスト教を布教するという彼の望みは、ことごとく退けられ、ついえた。だが、絶望してしかるべき彼は思う。これが地上の現実だ、と。汚くて悲惨なこの地上に生きたことこそが、意味のあることだったのだ、と。
 宣教師たちの目から見た日本という国が、あまりにかたくなで無慈悲で、本当に読むのがつらかった。
90点
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