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よしなしごとども 書きつくるなり
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熊谷達也(文藝春秋社)

 秋田県のとある寒村育ちの富治。
 彼は、熊やカモシカを獲って生活する「マタギ」として、充実した日々を過ごしていた。だが、ある事件がきっかけで、村を追われる身となった彼は、マタギをやめて鉱夫として働かざるを得なくなる……。

 狩猟なんてほとんど興味がないし、汗臭いだけの男たちの話だったらどうしようと危惧したが、そんな心配は無用だった。
 息詰まるような熊との死闘。突然牙を剥く大自然の恐怖。富治を中心として描かれる、友情と恋愛。それらが次から次へと活写されていて、まったく飽きさせない。
 ただ、性描写があまりにも生々しく、ふつうは楽しんで読んでしまう(!)私でさえ、ちょっと引いた。
85点
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