忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[525]  [524]  [523]  [629]  [522]  [521]  [520]  [519]  [628]  [518]  [627
大崎善生(角川書店)

 アダルト雑誌の編集者である山崎。彼のもとに、あるとき一本の電話が入る。それは19年前、彼が学生の頃に出会って別れた、由希子からの電話だった。
 偶然出会って、やがて悲劇的な別れ方をしたふたり。山崎の胸に、思い出が蘇る。

 山崎が、精神を病んでしまった友人に、記憶について語る部分が秀逸だった。
 若い頃は己の感性を振り回して、他人に暴言を吐いた。それは何年経っても心から消えることはなく、後悔に苛まれる。だがやってしまったことは消せないのだから、記憶とうまく共存してゆくほかはない。そう彼は語る。
 単純だけれど、説得力のある彼のセリフには共感することができた。
 それから、小道具の使い方もうまい。どこまでも透明で静かなアクアリウム。二匹のチワワ。淡いレモン色のワンピース。映像で見せられたかのように、光景が目に浮かんできた。
90点
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[01/30 まきまき]
[01/30 もか]
[01/23 まきまき]
[01/23 ぴーの]
[01/16 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]