忍者ブログ
ADMINWRITE
よしなしごとども 書きつくるなり
[630]  [525]  [524]  [523]  [629]  [522]  [521]  [520]  [519]  [628]  [518
大崎善生(文藝春秋社)

 邦人男女、ドナウ川で心中。そんな新聞記事に導かれて、大崎氏がヨーロッパを旅する。33歳の自称指揮者の千葉と、19歳の女子大生、日実(カミ)に、一体何が起こったのかを描くノンフィクション。

 やりきれない物語であった。千葉という男性は虚言癖や妄想癖があって、ろくな人間ではないのである。一方日実は、繊細で美しく、お金持ちのお嬢様。そんな二人が出会い、恋に落ちる。日実は千葉にのめり込み、彼の嘘に気付きながらも、まるで母親のように愛情で包み込む。
 だが果たしてそれは「愛」なのだろうか。憐憫や同情じゃないと言い切れるのだろうか。そんな疑問が私の中でずっと渦巻いていた。
 ぶざまで情けない男性に対して「私が何とかしなければ」と思い込む日実のような女性が世の中にはいるようだが、それは相手のためにもならないと私は思う。そういう男性は放って置けばよいのだ、ただの甘ちゃんなのだから。

 この作品、読んでいる間は、まるでミステリーのように早く先が知りたくて仕方がなかった。でも読後感はかなり悪かった。うんざりしたと言っても過言ではない程に。
80点
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[01/30 まきまき]
[01/30 もか]
[01/23 まきまき]
[01/23 ぴーの]
[01/16 まきまき]
プロフィール
HN:
まきまき
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ Back To The Past ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]