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久世光彦(中央公論新社)

 短編集。桃にまつわる8つの物語が収められている。
 『桃――お葉の匂い』。女衒を生業とする「私」は、ふとしたことからお葉という女と一緒に暮らすようになる。
 だがあるとき、お葉は忽然と姿を消してしまう。崩れかけた大きな桃を残して……。

 暗く淫らな話が多い短編集だが、これも例外ではない。女郎屋の女、妾、立ちん坊をする女。「私」の周りはそういう女たちばかり。だが不思議に嫌悪感は湧いてこない。
 ずっと漂い続ける桃の匂いのせいか。桔梗納戸、苔色、赤朽葉、藤色……ちりばめられた色の名前の、美しさゆえか。
 薄気味悪いストーリーだが、読後感は悪くない。
70点
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