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砂漠

伊坂幸太郎(新潮社)

 大学生である五人の男女を中心に織り成される、友情、恋愛、事件、そして事故……。

 大学生が主人公という設定でまず身構えた。目を背けたくなるような青臭い行動、現実味のないクサいセリフを読まされそう……が、五人は程よく大人で安堵した。
 唯一「西嶋」だけは幼稚なところもあったが、憎めない性格というか得難い存在で、彼抜きにはこの小説の面白さは語れないであろう。
 世界平和を願って麻雀で「平和(ピンフというらしい)」という役ばかり狙ってみたり。「今そこにある危機」を救うため、動物保護センターから犬をもらってみたり。
 行動は突飛だが、彼なりの筋道は通っている。面倒くさいけど正しい存在……西嶋、これからも頑張れ、と言いたくなった。
 他の四人も、美しすぎる東堂、念力使いの南、中庸な役どころの北村、お調子者の鳥井、と多彩で、数々のエピソードは具体性を帯び、映像となって目の前に現れるようだった。
90点
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