フローベール、姫野カオルコ(角川書店)
19世紀のフランス。
夢見がちな少女エマは、医師シャルル・ボヴァリーと結婚する。シャルルは人は良いが、退屈な男だった。エマはついに不倫に走るのだが……。
姫野カオルコの文がテンポ良く読ませる。「智恵子抄」をもじったり、「星影のワルツ」を挿入してみたり。
そんなふざけているような手法が、長々とした心理、情景描写よりよっぽど優れた説得力を持つようだ。
終盤の物悲しさも心に沁みた。きっと夫は、何があっても自分を許す……その予感に耐えられなくなるエマ。彼女の苦悩がひしひしと伝わってきた。
木村タカヒロ氏による、コラージュを多用した絵も素晴らしい。絵と文章がお互いを高めあっている。
19世紀のフランス。
夢見がちな少女エマは、医師シャルル・ボヴァリーと結婚する。シャルルは人は良いが、退屈な男だった。エマはついに不倫に走るのだが……。
姫野カオルコの文がテンポ良く読ませる。「智恵子抄」をもじったり、「星影のワルツ」を挿入してみたり。
そんなふざけているような手法が、長々とした心理、情景描写よりよっぽど優れた説得力を持つようだ。
終盤の物悲しさも心に沁みた。きっと夫は、何があっても自分を許す……その予感に耐えられなくなるエマ。彼女の苦悩がひしひしと伝わってきた。
木村タカヒロ氏による、コラージュを多用した絵も素晴らしい。絵と文章がお互いを高めあっている。
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