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破線のマリス

野沢尚(講談社)

 瑤子はテレビ局で働く、腕の良い映像編集者だった。
 あるとき、見ず知らずの男性から一本のビデオテープを手渡される。そこには郵政省の官僚が、ある殺人事件に関わっているかのような映像があった。
 瑤子は作為的にそのビデオを編集し、電波に乗せてしまう。彼女の恐怖はそこから始まった……。

 読んでいる間中、瑤子の我の強さに辟易した。彼女はいつも孤軍奮闘しているように描かれているが、それはそうなるべくしてなっているだけで、同情の余地も無い。
 ラストも救いがなく、後味の悪い作品だった。
55点
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切り裂きジャック・百年の孤独

島田荘司(集英社)

 1888年、ロンドン中を震え上がらせた「切り裂きジャック」。百年の時を経て、ベルリンで同様の事件が起きる。二つの事件は関係があるのか、ないのか。

 百年前の事件は迷宮入りしているが、本書はその謎をも解いている。犯人の動機は非常に意外なもので、でもありえなくはないと思わせる、説得力のあるものであった。
 しかし、現代に同じような事件が、同じような原因で起こるという部分は、少々無理があるのでは。どうせなら、動機が全く違ったものだったら、もっと驚かされたのでは? と思うのだが。
70点

育てたように子は育つ

相田みつを・佐々木正美(小学館)

 「子育て」に関連性のある詩をまとめた詩集。帯にある「心の休憩室」という言葉が、的確に本書の内容を表していると思う。
 ひとつひとつの詩に解説があって、それもまた心に響く。
 読んだ瞬間は「そうだよねぇ。子供の良いところに目を向けてあげないとね」とつくづく思わされた。
 ま、でもそんな思いは、子供を前にすると吹っ飛んでしまうのが世の常でして、日日是葛藤。
75点

タスケテ…

島村洋子(角川書店)

カリスマ的人気を誇る橘リリカ。忙しい彼女に代わってリハーサルなどで代役を務めていた藤村しのぶ。彼女も元アイドルだったが鳴かず飛ばずで、失意のうちにその職業に就いたのだった。
 そんなこととは知らずにしのぶを振り回すリリカ。やがてしのぶの憎悪は頂点に達し……。

 前半の設定が分かりづらかった。誰のことを書いているのか、判然としないのである。
 そしてラストのクライマックスが、まるでB級ホラー映画のようであった。無意味に人が死んで後味が悪い。
50点

行きずりの街

志水辰夫(新潮社)

 元教師の波多野は、失踪した教え子を探しに上京する。教え子には男性の影があったようだが、その男性というのは波多野が以前勤めていた学園の関係者らしい。学園で今、きなくさい何かが起きていることを彼は知るのだった……。

 1991年度の「このミス」一位ということで期待して読んだが、これは感想を書くのが難しい。恋愛やら暴力やらいろいろな要素があって飽きずに読むことはできた。だが、いかんせん主人公がキザ過ぎる。もし自分の知り合いだったら引くこと間違いなしの言動が多々あった。
 文庫の解説者は「志水節を味わうだけで幸せな気分になる」と書いているが、私は逆に志水節にはちょっと鼻白んだ。
55点

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