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李陵・山月記

中島敦(新潮社)

 「山月記」「名人伝」「弟子」と、以下に紹介する「李陵」の四編が収められている。

 漢と匈奴(きょうど・遊牧騎馬民族)が激しい抗争を繰り広げていた時代。
 李陵というひとりの武将が匈奴に戦いを挑むも、逆に囚われの身となってしまう。彼を擁護するような発言をして刑罰を受ける、司馬遷。また、捕虜となっても決して降伏することのなかった、蘇武。三人三様の生き方を、力強く描く作品。
 と、さも分かったように粗筋を書いたが、私にはとても難しい作品だった。山ほど注解はあるものの、歴史的流れがよく理解できないのだ。
 それでも、郷土愛に燃える、誇り高き蘇武に、李陵が圧倒されて自分の小者ぶりに愕然とする部分などは、とても心に響いた。
 「山月記」でも誰にも知られずに忘れ去られる者の不安が描かれていたが、そのあたりが作者の不安とも結びついているのだろうか。
60点
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