Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
真珠夫人
菊池寛(文藝春秋社)
男爵の娘、瑠璃子は、些細な事件によって成金の荘田に恨みを買う。
荘田は金に物を言わせて瑠璃子と結婚するが、まもなく他界する。未亡人となった彼女は、美貌と知性で言い寄る男たちを翻弄する。
ひと言で言うなら、通俗小説である。展開は目まぐるしく、過剰な表現が多い。
だが、この面白さはどうだろう。理屈をこねる前に、力技でねじ伏せられたような感がある。
私の中にあった今までの「菊池寛」像を、良い意味で打ち破る作品であった。
75点
男爵の娘、瑠璃子は、些細な事件によって成金の荘田に恨みを買う。
荘田は金に物を言わせて瑠璃子と結婚するが、まもなく他界する。未亡人となった彼女は、美貌と知性で言い寄る男たちを翻弄する。
ひと言で言うなら、通俗小説である。展開は目まぐるしく、過剰な表現が多い。
だが、この面白さはどうだろう。理屈をこねる前に、力技でねじ伏せられたような感がある。
私の中にあった今までの「菊池寛」像を、良い意味で打ち破る作品であった。
75点
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密室入門!
有栖川有栖・安井俊夫(メディアファクトリー)
ミステリ作家の有栖川有栖氏と、一級建築士の安井俊夫氏が、密室について熱く語り合った一冊。
密室は何ぞや? どのようにそれは分類できるのか? 建築的な見地からひもとく密室とは? 等々、密室についての疑問を次々に解き明かしてゆく会話は痛快無比。まさに痒いところに手が届きまくった作品といえよう。
時にお二人の会話は脱線してゆくのだが、それがまた面白い。余談や薀蓄が、本文と同じくらい興味深かった。
巻末にはお二人オススメの密室モノが三冊ずつ挙げられている。食指を動かされる作品ぞろいで、どれも読んだことが無い私はわくわくしてしまった。
採点なし
ミステリ作家の有栖川有栖氏と、一級建築士の安井俊夫氏が、密室について熱く語り合った一冊。
密室は何ぞや? どのようにそれは分類できるのか? 建築的な見地からひもとく密室とは? 等々、密室についての疑問を次々に解き明かしてゆく会話は痛快無比。まさに痒いところに手が届きまくった作品といえよう。
時にお二人の会話は脱線してゆくのだが、それがまた面白い。余談や薀蓄が、本文と同じくらい興味深かった。
巻末にはお二人オススメの密室モノが三冊ずつ挙げられている。食指を動かされる作品ぞろいで、どれも読んだことが無い私はわくわくしてしまった。
採点なし
ピーヒャラドンの謎
如月小春(婦人生活社)
劇作家・演出家である如月小春さんの子育てエッセイ。38歳で第一子「茉莉」ちゃんを産んだ筆者の、とまどいやうれしさが痛いほど伝わってくる。
エッセイの出だしのひと言、
「なんでうちに、こんなのがいるんだろう?」
というのは、私も何かに付け思ったことだ。今までの静かな生活はいずこへ、と。
やがて彼女は働くママになる。子育てと仕事の両立に悩んだり、子連れに理解の無い世間に怒ったり、それはもう私も通ってきた道なので、共感しまくりなのであった。
そして次のひとことは涙なしには読めなかった。
「今は、こうして抱きしめていよう。抱きしめていられる幸福に浸っていよう」
彼女は44歳という若さで急逝されたのだ。きっといつまでだって抱きしめていたかっただろう、まだ幼い娘を。
80点
劇作家・演出家である如月小春さんの子育てエッセイ。38歳で第一子「茉莉」ちゃんを産んだ筆者の、とまどいやうれしさが痛いほど伝わってくる。
エッセイの出だしのひと言、
「なんでうちに、こんなのがいるんだろう?」
というのは、私も何かに付け思ったことだ。今までの静かな生活はいずこへ、と。
やがて彼女は働くママになる。子育てと仕事の両立に悩んだり、子連れに理解の無い世間に怒ったり、それはもう私も通ってきた道なので、共感しまくりなのであった。
そして次のひとことは涙なしには読めなかった。
「今は、こうして抱きしめていよう。抱きしめていられる幸福に浸っていよう」
彼女は44歳という若さで急逝されたのだ。きっといつまでだって抱きしめていたかっただろう、まだ幼い娘を。
80点
塩の街
有川浩(角川書店)
塩の結晶が隕石のごとく地球に落下して、その瞬間から人間が塩化してしまう現象が始まる。崩壊してゆく社会。その中で、元自衛官の秋庭と高校生の真奈は出会う……。
秋庭と真奈の二人の前に、いろいろな人間が現れるのだが、そのバリエーションが豊富。最愛の女性を失った男、刑務所から脱獄し自暴自棄になった男、ルポライターを夢みる、鼻持ちならない中学生、そして自衛隊の司令官である入江という男。それぞれが語る言葉を持ち、きちんとキャラが立っている。ストーリーもテンポ良く進み、そつがない。
しかし手放しで「面白かった」と、なぜか言えない。秋庭と真奈の有りようが、あまりに良くあるパターンだから、か。ひねりがなくて展開が読めてしまうのだ。
この手の恋愛話は、テレビや映画で散々見た気がする。いたいけな若い娘と無骨だが優しい男……設定からして古い。
70点
塩の結晶が隕石のごとく地球に落下して、その瞬間から人間が塩化してしまう現象が始まる。崩壊してゆく社会。その中で、元自衛官の秋庭と高校生の真奈は出会う……。
秋庭と真奈の二人の前に、いろいろな人間が現れるのだが、そのバリエーションが豊富。最愛の女性を失った男、刑務所から脱獄し自暴自棄になった男、ルポライターを夢みる、鼻持ちならない中学生、そして自衛隊の司令官である入江という男。それぞれが語る言葉を持ち、きちんとキャラが立っている。ストーリーもテンポ良く進み、そつがない。
しかし手放しで「面白かった」と、なぜか言えない。秋庭と真奈の有りようが、あまりに良くあるパターンだから、か。ひねりがなくて展開が読めてしまうのだ。
この手の恋愛話は、テレビや映画で散々見た気がする。いたいけな若い娘と無骨だが優しい男……設定からして古い。
70点
レインツリーの国
有川浩(新潮社)
昔読んだ本の感想をネット上で見つけた伸行。物語のラストに納得できず、ずっと心に引っ掛かっていた彼は、それを書いた「ひとみ」にメールを送る。そこから二人の交流が始まり……。
そうとは思わずにこてこての恋愛モノを読んでしまった。ま、でもなかなか良かった。
障害をもつひとみは、ときに手が付けられないほどわがままになる。伸行も彼女を理解しようと努力するが、的外れなことをしたりしてしまう。二人の想いがすれ違うたび、苛立ちが募る。
ひとみは本当に「面倒な女」だ。今まで受けたいろいろな不親切、無理解を、全部伸行にぶつけて彼を試す。普通の男性ならすぐに嫌になるだろう。でも伸行は我慢強く彼女に付き合う。惚れた弱みか、とてつもない包容力のなせるわざか。
こんな男性いないよなぁと思いつつ、彼の優しさにほだされて(?)一気に読了させられてしまった。それでもやっぱり、こんな男性はいないと思う。しつこい?
70点
昔読んだ本の感想をネット上で見つけた伸行。物語のラストに納得できず、ずっと心に引っ掛かっていた彼は、それを書いた「ひとみ」にメールを送る。そこから二人の交流が始まり……。
そうとは思わずにこてこての恋愛モノを読んでしまった。ま、でもなかなか良かった。
障害をもつひとみは、ときに手が付けられないほどわがままになる。伸行も彼女を理解しようと努力するが、的外れなことをしたりしてしまう。二人の想いがすれ違うたび、苛立ちが募る。
ひとみは本当に「面倒な女」だ。今まで受けたいろいろな不親切、無理解を、全部伸行にぶつけて彼を試す。普通の男性ならすぐに嫌になるだろう。でも伸行は我慢強く彼女に付き合う。惚れた弱みか、とてつもない包容力のなせるわざか。
こんな男性いないよなぁと思いつつ、彼の優しさにほだされて(?)一気に読了させられてしまった。それでもやっぱり、こんな男性はいないと思う。しつこい?
70点
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