忍者ブログ

ボヴァリー夫人

フローベール、姫野カオルコ(角川書店)




 19世紀のフランス。
 夢見がちな少女エマは、医師シャルル・ボヴァリーと結婚する。シャルルは人は良いが、退屈な男だった。エマはついに不倫に走るのだが……。

 姫野カオルコの文がテンポ良く読ませる。「智恵子抄」をもじったり、「星影のワルツ」を挿入してみたり。
 そんなふざけているような手法が、長々とした心理、情景描写よりよっぽど優れた説得力を持つようだ。
 終盤の物悲しさも心に沁みた。きっと夫は、何があっても自分を許す……その予感に耐えられなくなるエマ。彼女の苦悩がひしひしと伝わってきた。

 木村タカヒロ氏による、コラージュを多用した絵も素晴らしい。絵と文章がお互いを高めあっている。

PR

あかいふうせん

ラモリス・作、岸田衿子・文(偕成社)



 パスカルという男の子は、ある日不思議な赤い風船を見付ける。
 自分の言うことが分かって、自分の後を付いてくる風船。
 子犬みたいにいとおしい風船。

 何冊かあるこのシリーズ。
 いわさきちひろの絵が繊細で美しく、甲乙つけがたい良い作品ばかりである。

 この作品ももちろん、子供たちがとても生き生きと可愛らしく描かれていて素晴らしい。
 ちょっと暗いトーンの街中を、元気に走る歓声が聞こえてきそうである。

色の名前

近江源太郎監修(角川書店)



 「彼女の瞳はとび色で、髪は亜麻色ミスト・グリーンに染まった街をピジョンズ・ブラッドのドレスで歩いていた」
 ……はっきりと映像化できました?
 色の名前ってなかなか興味深い。
 私が好きな色は「黒」だが、好きな色の名前は「茄子紺」。
 この色のネーミングはこれしかないと思う。
 解説もいい。
 鴇色(ときいろ)の話は必見である、日本人として。
 (補足)私の持っているのは「色々な色」(光琳社出版)という本だが、現在は上のようなタイトルで出ているらしい。

宇宙の片隅で 石垣りん詩集

石垣りん(理論社)



 石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。

 抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
 言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。

 選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
 彼女はこう言ったという。
 ……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。

 石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。

うめめ

梅佳代(リトルモア)



 写真集。
 何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
 犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
 小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
 オバサンってのは元気だよなぁ。
 というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。

 個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
 くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。

カレンダー

06 2026/07 08
S M T W T F S
1 3 4
5 7 8 10 11
12 13 14 15 16 17 18
20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[06/14 まきまき]
[06/14 もか]
[06/06 まきまき]
[06/04 ぴーの]
[05/14 まきまき]

プロフィール

HN:
まきまき
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析