Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
宇宙の片隅で 石垣りん詩集
石垣りん(理論社)
石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。
抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。
選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
彼女はこう言ったという。
……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。
石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。
石垣りん氏の作品の中から選び抜かれた33編の詩。
抽象的で独りよがりな詩集とは一線を画する石垣氏の詩集。
言葉の一つ一つが日常に密着していて、すっと心に入ってくる。
選者である水内喜久雄氏のあとがき「石垣りんさんをたずねて」も興味深い内容であった。
彼女はこう言ったという。
……空に虹がかかったとき、知らない人にもそれを言いたい、欲得なしに伝えたい、そんな気持ちを形にしたのが「詩」。
石垣氏の言葉はとても自然で、あたたかだった。
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うめめ
梅佳代(リトルモア)
写真集。
何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
オバサンってのは元気だよなぁ。
というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。
個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。
写真集。
何気ない日常を撮っているのだが、思わず「ふふっ」と笑ってしまうおかしさがある。
犬って本当に素っ頓狂だよなぁ。
小学生の男子って、どうしてこう調子に乗っちゃうのかねぇ。
オバサンってのは元気だよなぁ。
というふうに、どこかで見掛けた感のある風景がたくさんあった。
個人的に、犬のしっぽのアップにグッときた。
くるっときれいに巻いたしっぽは、芸術的でさえある。
うろんな客
エドワード・ゴーリー(河出書房新社)
冬の晩、あるお屋敷にヘンな生き物がやってくる。
まるでアリクイみたいな風体。
好き勝手にふるまうそいつは、一体何者なのか?
モノクロの絵は暗いタッチで、屋敷に住む人たちの顔も陰鬱だ。
ただ闖入者だけが、彼の瞳だけが、いたずらを楽しむ者に特有の愉悦に満ちている。
また、短歌のような文章は、リズムにのって楽しく読めた。
気に入ったものは池に投げ入れて「保護に尽力」なんて部分には苦笑させられた。
このヘンな生き物は「すべての子供の比喩」と解説にあった。
なるほど……それで納得。
冬の晩、あるお屋敷にヘンな生き物がやってくる。
まるでアリクイみたいな風体。
好き勝手にふるまうそいつは、一体何者なのか?
モノクロの絵は暗いタッチで、屋敷に住む人たちの顔も陰鬱だ。
ただ闖入者だけが、彼の瞳だけが、いたずらを楽しむ者に特有の愉悦に満ちている。
また、短歌のような文章は、リズムにのって楽しく読めた。
気に入ったものは池に投げ入れて「保護に尽力」なんて部分には苦笑させられた。
このヘンな生き物は「すべての子供の比喩」と解説にあった。
なるほど……それで納得。
エスターハージー王子の冒険
イレーネ・ディーシェ、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー、ミヒャエル・ゾーヴァ(評論社)
オーストリアに住むウサギの王子、エスターハージー。彼はお嫁さん探しの旅に出る。行き先はドイツのベルリン。
「壁」の崩壊直前のベルリンで、彼が目にしたものとは。
この本の魅力は何といってもミヒャエル・ゾーヴァの挿絵であろう。
ウサギたちの愛らしいこと!
列車の椅子にちんまりと座る姿。鏡の前で、豹柄パンツをはいてポーズをとる姿。野原で二匹のウサギが寄り添う姿。
それらが深みのある色彩で、ぞくぞくするほど美しく描かれている。
ベルリンの壁の崩壊について、ウサギがシニカルにつぶやく。「壊すなら、最初から作らなきゃいいのにさ」。
主題は人間の愚かさか。だが不思議と説教臭さはない。
オーストリアに住むウサギの王子、エスターハージー。彼はお嫁さん探しの旅に出る。行き先はドイツのベルリン。
「壁」の崩壊直前のベルリンで、彼が目にしたものとは。
この本の魅力は何といってもミヒャエル・ゾーヴァの挿絵であろう。
ウサギたちの愛らしいこと!
列車の椅子にちんまりと座る姿。鏡の前で、豹柄パンツをはいてポーズをとる姿。野原で二匹のウサギが寄り添う姿。
それらが深みのある色彩で、ぞくぞくするほど美しく描かれている。
ベルリンの壁の崩壊について、ウサギがシニカルにつぶやく。「壊すなら、最初から作らなきゃいいのにさ」。
主題は人間の愚かさか。だが不思議と説教臭さはない。
丘の上の人殺しの家
別役実・スズキコージ(ブッキング)
丘のてっぺんに住む、人殺しをなりわいとする三兄弟。
でももう十二年もお客がきていない。
というか、三人は人っ子一人、殺したことがないのであった……。
挿絵はスズキコージ氏お得意の極彩色、ではなく全編モノクロで描かれている。
それが「人殺し」「拷問」といった、おどろおどろしい言葉の雰囲気を和らげ、キモ楽しい世界を作り上げている。
終盤の、お婆さんが殺しのお願いをする部分がいい。
殺しても死なない、しぶといお婆さん。
これは「人の最期を人が決めるなんて傲慢」だという意味? それは深読みか?
丘のてっぺんに住む、人殺しをなりわいとする三兄弟。
でももう十二年もお客がきていない。
というか、三人は人っ子一人、殺したことがないのであった……。
挿絵はスズキコージ氏お得意の極彩色、ではなく全編モノクロで描かれている。
それが「人殺し」「拷問」といった、おどろおどろしい言葉の雰囲気を和らげ、キモ楽しい世界を作り上げている。
終盤の、お婆さんが殺しのお願いをする部分がいい。
殺しても死なない、しぶといお婆さん。
これは「人の最期を人が決めるなんて傲慢」だという意味? それは深読みか?
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