ジョン・ペーメルマンス・マルシアーノ(BL出版)
パリに住む12人の女の子たち。彼女たちと一緒に学ぶ、人と接するときのマナー。
小さな女の子が、ちょっと気取って挨拶するさまが可愛い。
「ありがとう」を言いましょう、たとえ既に七つも持っているものを貰ったときでも。
人の話は最後まで聞きましょう、それを遮っていいのは、火事になった家を見つけたときです。
等々、大のおとなでもはっとさせられる部分があって、思わず苦笑してしまった。
パリに住む12人の女の子たち。彼女たちと一緒に学ぶ、人と接するときのマナー。
小さな女の子が、ちょっと気取って挨拶するさまが可愛い。
「ありがとう」を言いましょう、たとえ既に七つも持っているものを貰ったときでも。
人の話は最後まで聞きましょう、それを遮っていいのは、火事になった家を見つけたときです。
等々、大のおとなでもはっとさせられる部分があって、思わず苦笑してしまった。
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ウルスラ・ジェナジーノ、ヨゼフ・ウィルコン(セーラー出版)
一人暮らしのミンケパットさん。
彼は小鳥のさえずるメロディにあわせて、古いピアノをいつも弾いていた。
近所の人々はそれを迷惑がったが、小鳥たちはいつしか彼の家に集まるようになり……。
気難しそうなミンケパットさん。
笑顔の絵はひとつもないのだが、小鳥たちといっしょに描かれた彼は、とても優しそうに見える。
色味を抑えた渋い挿絵も良いのだが、ストーリーもまた良い。
孤独な老人にも春は訪れる。
そのシンプルさが良い。
一人暮らしのミンケパットさん。
彼は小鳥のさえずるメロディにあわせて、古いピアノをいつも弾いていた。
近所の人々はそれを迷惑がったが、小鳥たちはいつしか彼の家に集まるようになり……。
気難しそうなミンケパットさん。
笑顔の絵はひとつもないのだが、小鳥たちといっしょに描かれた彼は、とても優しそうに見える。
色味を抑えた渋い挿絵も良いのだが、ストーリーもまた良い。
孤独な老人にも春は訪れる。
そのシンプルさが良い。
内田百閒(パロル舎)
短編集。六つの作品が収められている。
『件(くだん)』がよかった。
からだが牛で顔だけ人間の「件」になってしまった「私」。
「件」は何らかの予言をするというが「私」は何を予言したらいいのか分からない。
人々が集まってきて途方に暮れる「私」。
百閒の謎めいた文章もすばらしいが、版画がまた良い。
おどろおどろしく、それでいてどことなく滑稽。
「件」のラストの絵がカバーにも描かれているが、物語のラストのおかしみをうまく表現していると思う。
短編集。六つの作品が収められている。
『件(くだん)』がよかった。
からだが牛で顔だけ人間の「件」になってしまった「私」。
「件」は何らかの予言をするというが「私」は何を予言したらいいのか分からない。
人々が集まってきて途方に暮れる「私」。
百閒の謎めいた文章もすばらしいが、版画がまた良い。
おどろおどろしく、それでいてどことなく滑稽。
「件」のラストの絵がカバーにも描かれているが、物語のラストのおかしみをうまく表現していると思う。
エリック・バトゥー、谷内こうた(講談社)
1月から12月まで、自然の中で生きる動物たちの想いを描いた一冊。
どの絵も、広々とした場所があって、そこに動物がちょこんと描かれている。
動物たちはみなユーモラスで可愛い。
「1月、まっている……」で始まる月々の短い言葉も、絵の邪魔になることなく良い味を出している。
それにしても11月は、もうさむい……って。
私の生まれ月は、作家でさえしゃれたことが言えない月なのか?
1月から12月まで、自然の中で生きる動物たちの想いを描いた一冊。
どの絵も、広々とした場所があって、そこに動物がちょこんと描かれている。
動物たちはみなユーモラスで可愛い。
「1月、まっている……」で始まる月々の短い言葉も、絵の邪魔になることなく良い味を出している。
それにしても11月は、もうさむい……って。
私の生まれ月は、作家でさえしゃれたことが言えない月なのか?
宮澤賢治(パロル舎)
蟹の兄弟が、青い水の底で見た世界。
色がすばらしい。
五月の、光差す水の中は青磁色。
十二月のつめたい水は紺青色。
そして物語が綴られた文字の背景色は青鈍(あおにび)。
うっとりするような色使いである。
もちろん、宮澤賢治の独特のストーリーもまた良い。
兄弟のちょっとした諍いは微笑ましく、途中で登場する父親は、凛々しくててすてきだ。
それから擬音の使い方がすごい。
「……その上には月光の虹がもかもか集まりました」
なんて、一体誰がこんな擬音を思いつくだろう。
蟹の兄弟が、青い水の底で見た世界。
色がすばらしい。
五月の、光差す水の中は青磁色。
十二月のつめたい水は紺青色。
そして物語が綴られた文字の背景色は青鈍(あおにび)。
うっとりするような色使いである。
もちろん、宮澤賢治の独特のストーリーもまた良い。
兄弟のちょっとした諍いは微笑ましく、途中で登場する父親は、凛々しくててすてきだ。
それから擬音の使い方がすごい。
「……その上には月光の虹がもかもか集まりました」
なんて、一体誰がこんな擬音を思いつくだろう。