ジャック・ロンドン(スイッチ・パブリッシング)
短編集。九つの短編が収められている。
表題作の『火を熾す』。氷点下六十度近い極寒のなか、男と一匹の犬は野営地を目指して歩いていた。容赦の無い寒さが彼らを襲う。湧き水で濡らしてしまった足を温めようと男は火を熾すが……。
刻一刻と身体が凍り付いていく恐怖を、筆者はゆっくりと存分に味わわせてくれる。初めは余裕を持っていた男が、次第に死の影に怯えるようになり、最後に絶望するさまは実にリアリティーがあった。
男に同行する犬が、ストーリーに厚みを与えている。基本的に命令には従うのだが「この寒さは危険だ」という原始からの記憶が犬を立ち止まらせる。その獣たる姿、息遣いを筆者は鮮明に描き出してくれている。
85点
短編集。九つの短編が収められている。
表題作の『火を熾す』。氷点下六十度近い極寒のなか、男と一匹の犬は野営地を目指して歩いていた。容赦の無い寒さが彼らを襲う。湧き水で濡らしてしまった足を温めようと男は火を熾すが……。
刻一刻と身体が凍り付いていく恐怖を、筆者はゆっくりと存分に味わわせてくれる。初めは余裕を持っていた男が、次第に死の影に怯えるようになり、最後に絶望するさまは実にリアリティーがあった。
男に同行する犬が、ストーリーに厚みを与えている。基本的に命令には従うのだが「この寒さは危険だ」という原始からの記憶が犬を立ち止まらせる。その獣たる姿、息遣いを筆者は鮮明に描き出してくれている。
85点
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