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11の物語

パトリシア・ハイスミス(早川書房)

 タイトルのとおり、十一の短編が収められている。『すっぽん』が印象に残った。
 十一歳のヴィクターは、自分の気持ちを理解しようともしない、高圧的な母親に辟易していた。あるとき母親が食材として生きたすっぽんを買ってくる。ヴィクターはすっぽんを殺さないよう懇願するが……。

 子供の心が壊れる瞬間を、とても鮮やかに描き出している。最近恐ろしい事件がいろいろ起きているが、その引き金になる事柄というのは案外こんなことなのかもしれない。
 その他、子守として雇った女の狂気を描いた『ヒロイン』、巨大かたつむりの探索に魅入られた男の悲劇を描いた『クレイヴァリング教授の新発見』などが面白かった。
80点
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