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須永朝彦小説選

須永朝彦 山尾悠子・編(筑摩書房)

25の作品が収められている。
最後まで読んだが途中飛ばしたところも多々あったので「挫折編」に入れた。

旧仮名遣い、耽美小説、吸血鬼、男色……これは苦手。
作家のプロフィールを読んだら、先日四苦八苦して読んだ塚本邦雄の影響を強く受けたとあった。先に知っていたらおそらく読まなかっただろう。

と批判ばかりでは何なので多少興味をそそられた作品を紹介しよう。最後に収められていた「青い箱と銀色のお化け」。
江戸川乱歩、谷崎潤一郎、佐藤春夫があの世で再会して座談会をする。思い出話に花が咲き、本音が漏れ出る……。
もちろん架空の話だが、乱歩が気遣いの人として描かれているのが面白かった。

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ナチュラル・ウーマン

松浦理恵子(河出書房新社)

 3つの中編が収められているが、「いちばん長い午後」を読んだところでギブアップ。
 カバーに「二人の女性の恋は、「男と女ごっこ」を拒絶し自分たちに合った性愛を手探りするうち(略)」と書かれていたので、おおまかな内容は想像し得たものの、あまりにハード過ぎ。
 表面だけを見てはいけない、二人の中の核を覗かなければとは思うものの、具体的な「器具」とか出てくると、もうお手上げである。

 いちおう内容にもふれておくと、セリフが芝居がかっていて現実的ではないと思った。
「今でも好きよ。」なんて言わないでしょ。
60ページまで読んだ。(河出文庫 新装版6刷)

一九八四年[新訳版]

ジョージ・オーウェル(早川書房)

 近未来、世界は3つの超大国にわかれて、常に戦闘状態にあった。オセアニアに属するウィンストンの仕事は、主に歴史の改ざんであった。政治に関するあらゆる記録は、現実に起きたことに基づいて、政府の都合の良いようにすべて書き換えなければならないのであった……。

 面白い展開になるのを辛抱強く待ったが、半分を過ぎても陰鬱で救いのない話であった。しかも難解。最初に読んだ「解説」でめげそうだった。めげれば良かった。

 オセアニアという国は、政府によって徹底的に管理、監視されている。国民の権利など、皆無である。そんな国で、はたして生きてゆく意味はあるのか。
 いろいろと考えさせられたが、一か月かけても読了できず降参。
288ページまで読んだ(ハヤカワ epi文庫 17刷)

残光

小島信夫(新潮社)

 エッセイ。かと思ったら、解説で「長編小説」と書かれていて驚いた。もう根底から私は間違っていたようだ。

 作家である保坂和志氏と「トークイベント」をしたのは事実のようで、それについて書かれているのが第二章なのだが、
 ……は忘れた、
 ……はたまたま思いついたことで、そういうことではないかもしれない、
 ……この一つはいかにも疑わしい、
 と、読者をけむに巻く言葉が随所にあって、結論はどれなのか、誰の言ったことなのか、常に判然としないまま、話はずるずると進んでみたり戻ってみたり。
 奥様は認知症のようだが、筆者ももしや? とまで思ってしまった。

 これは作者の遺作で、最高傑作と裏表紙にはあるが、それが本当だとするならもうどの作品も私には手におえないだろう。
170ページまで読んだ。(新潮文庫 初版)

因果鉄道の旅

根本敬(幻冬舎)

 漫画家である筆者が出会ってきた、トンデモ人間の観察記録。

 何なんでしょう、この本は。低俗、下品、自己中、どっちもどっち(観察する側もされる側も)、狐と狸の化かしあい……読んでいてほとほと疲れた。
 オチも無ければ救いも無い、だらだらと「こんなアフォがいたんです」の記録。エログロナンセンスどんと来いな私でも、途中で嫌になりました。
 どこまで読んでも時間の無駄、な一冊。
150ページまで読んだ。(幻冬舎文庫 初版)

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