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夜よりほかに聴くものもなし<サスペンス篇>

山田風太郎(光文社)

 山田風太郎のミステリー傑作選の第三巻。十三の作品が収められている。
 タイトルにもなっている「夜よりほかに聴くものもなし」を紹介しよう。八坂という一人の老刑事が事件の謎を解く、連作短編集。
 彼は、物語の最後に必ず「それでも……おれは君に、手錠をかけなければならん」と言う。唾棄すべき人間が犯人だった場合はもちろんのこと、犯人がどんなに同情に値しようとも、老刑事は職務を全うしようとする。
 彼が事件の全容を掴んで、身を震わせるようにしてこのセリフをつぶやくので、読んでるほうも充分に感情移入できる。
 他に「鬼さんこちら」という短編も、まるでミステリーのお手本たる、切れ味鋭い作品である。
90点
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