湊かなえ(双葉社)
中学の女教師・森口。彼女の娘が、学校のプールで溺死してしまう。事故ということで片付けられたこの一件、だが森口は終業式の日に教室で告白する。「私の娘はこのクラスの生徒に殺されたのです」。
第一章は、ほとんど森口の独白で話が進む。教壇から生徒に向かって穏やかに話をする彼女だが、その言葉には確かな「毒」がある。
不穏な空気を保ったまま、ストーリーは次々に語り手を変えて進んでいく。その内容たるや意外性抜群、視点が変わると物事というのはこんなにも変貌するものかと、かなり驚かされた。
無駄のない、しかもそつのない展開で一気に読めたが、欲を言えばA少年の母親の話も聞きたかった。A少年に対するどんな思いが母親にあったのか……永遠の謎ではある。
90点
中学の女教師・森口。彼女の娘が、学校のプールで溺死してしまう。事故ということで片付けられたこの一件、だが森口は終業式の日に教室で告白する。「私の娘はこのクラスの生徒に殺されたのです」。
第一章は、ほとんど森口の独白で話が進む。教壇から生徒に向かって穏やかに話をする彼女だが、その言葉には確かな「毒」がある。
不穏な空気を保ったまま、ストーリーは次々に語り手を変えて進んでいく。その内容たるや意外性抜群、視点が変わると物事というのはこんなにも変貌するものかと、かなり驚かされた。
無駄のない、しかもそつのない展開で一気に読めたが、欲を言えばA少年の母親の話も聞きたかった。A少年に対するどんな思いが母親にあったのか……永遠の謎ではある。
90点
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