保坂和志(新潮社)
墓地で拾った子猫が、病気を乗り越えて生きる姿を描いた「生きる歓び」、小説家・田中小実昌との交流を描いた「小実昌さんのこと」の二編が収められている。
後者の作品に、興味深い表現があった。「ダラダラ書く作家」という一節だ。その例として小島信夫、田中小実昌、後藤明生の名前が挙がっていた。昨日の続きの今日、といった日常を、さらりと書く作家というのが確かにいる。
そんな世界は退屈なことが多いのだが、読むほうもダラダラと気ままに読むと、案外楽しんで読むことができることもある。この二編も、まさにそんな作品であった。
60点
墓地で拾った子猫が、病気を乗り越えて生きる姿を描いた「生きる歓び」、小説家・田中小実昌との交流を描いた「小実昌さんのこと」の二編が収められている。
後者の作品に、興味深い表現があった。「ダラダラ書く作家」という一節だ。その例として小島信夫、田中小実昌、後藤明生の名前が挙がっていた。昨日の続きの今日、といった日常を、さらりと書く作家というのが確かにいる。
そんな世界は退屈なことが多いのだが、読むほうもダラダラと気ままに読むと、案外楽しんで読むことができることもある。この二編も、まさにそんな作品であった。
60点
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