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肌色の月

久生十蘭(中央公論社)

 代々ガン死する家系に生まれた久美子。彼女はある日見上げた月が肌色に見えたことから、自分の死期を悟り、自殺するために旅立つが、そこで奇妙な事件にまきこまれてゆく。

 この作品集(中公文庫版)の白眉は、筆者の夫人が書かれた「あとがき」である。夫人は筆者が志半ばで逝ってしまったあと、作品の続きを書き上げ、その闘病の様子を「あとがき」に記している。最後まで書くことに執念を燃やす筆者、支えようとする夫人。初めて「あとがき」で泣いた。
 作品自体は、推理小説としては甘い筋立てであるが、どこか茶目っ気のある文章で、楽しんで読むことができた。
80点
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