高野和明(講談社)
仮釈放中の青年と、退職間近の刑務官。二人は冤罪で死刑になりかけている男を救うため、十年前の事件を調べ始める。
非常に分かりやすい筋立てである。そのくせ真犯人は、幾重にも折り重なった仕掛けの奥底にいて、なかなか正体を見せない。そのバランス感覚に舌を巻いた。
「過去」という章では、刑務官の仕事振りが語られるが、死刑執行の様子は空恐ろしいほどのリアリティがある。「執行する側」の苦悩の深さに慄然とした。
抑制された文体に、読み手の緊張感は持続し、読み出したら止まらない作品である。
90点
仮釈放中の青年と、退職間近の刑務官。二人は冤罪で死刑になりかけている男を救うため、十年前の事件を調べ始める。
非常に分かりやすい筋立てである。そのくせ真犯人は、幾重にも折り重なった仕掛けの奥底にいて、なかなか正体を見せない。そのバランス感覚に舌を巻いた。
「過去」という章では、刑務官の仕事振りが語られるが、死刑執行の様子は空恐ろしいほどのリアリティがある。「執行する側」の苦悩の深さに慄然とした。
抑制された文体に、読み手の緊張感は持続し、読み出したら止まらない作品である。
90点
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