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13階段

高野和明(講談社)

 仮釈放中の青年と、退職間近の刑務官。二人は冤罪で死刑になりかけている男を救うため、十年前の事件を調べ始める。

 非常に分かりやすい筋立てである。そのくせ真犯人は、幾重にも折り重なった仕掛けの奥底にいて、なかなか正体を見せない。そのバランス感覚に舌を巻いた。
 「過去」という章では、刑務官の仕事振りが語られるが、死刑執行の様子は空恐ろしいほどのリアリティがある。「執行する側」の苦悩の深さに慄然とした。
 抑制された文体に、読み手の緊張感は持続し、読み出したら止まらない作品である。
90点
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えと、そのぉ

ツイで読んでらっさるのは存じてましたが、まさか私の感想をご記憶とは!
ありがたき幸せ。

ところが、です、内容の記憶が飛んでおりますの、ほほほ。
死刑制度についての深い考察があるようですな…面白そう。

とりあえず殺人イクナイ。
  • まきまき
  • 2017/03/02(Thu)11:38:57
  • 編集

すごかった・・・

おー!7年も前の書評だったんだ~!

この前ブクオフで見つけて、「あ、これまきまきさんが高得点だったな」って思い出して買ったんです。

んもーイッキ読みしましたとも!

ところどころで、「ひっ!」ってほんと息がつまりそうになりました
人の命を奪った人を、人が裁くってもうなんなのそれ。
人が裁くっていうか、法が裁くのか。
でもその法を作ったのも人だし、法を守らないのも人だし。
頭グルグルしております。

とりあえず一生殺人は犯さないと誓いました。

あーでも正当防衛なら・・・うーん。
  • ぴーの
  • 2017/03/01(Wed)21:39:19
  • 編集

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