高村薫(講談社)
昭和51年の南アルプス。ある家族は一家心中を図り、子供だけが生き残る。またある男は狂気と混乱の果てに、登山者を撲殺してしまう。さらにもう一つ、重大な事件が起きていた……16年後に連続殺人事件へと発展する、まさに重大なる事件が。
ひと言で言うと、非常に難しい作品であった。まず警察の機構というものが複雑すぎて把握しきれない。それから、物語の後半では殺人犯・マークスの心情がほとんど描かれていないので、彼の動機は想像するしかなく、常に「何故彼はそうしたのか」という疑問が付きまとう。
しかしながら、読む進む上でのそんな困難を補って余りある魅力が本作品にはある。主人公の刑事、合田の苦悩や焦燥が存分に描かれていて圧巻であった。彼と他の刑事、事件の関係者との丁々発止のやり取りも、かなり引き込まれた。
70点
昭和51年の南アルプス。ある家族は一家心中を図り、子供だけが生き残る。またある男は狂気と混乱の果てに、登山者を撲殺してしまう。さらにもう一つ、重大な事件が起きていた……16年後に連続殺人事件へと発展する、まさに重大なる事件が。
ひと言で言うと、非常に難しい作品であった。まず警察の機構というものが複雑すぎて把握しきれない。それから、物語の後半では殺人犯・マークスの心情がほとんど描かれていないので、彼の動機は想像するしかなく、常に「何故彼はそうしたのか」という疑問が付きまとう。
しかしながら、読む進む上でのそんな困難を補って余りある魅力が本作品にはある。主人公の刑事、合田の苦悩や焦燥が存分に描かれていて圧巻であった。彼と他の刑事、事件の関係者との丁々発止のやり取りも、かなり引き込まれた。
70点
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