瀬戸内晴美(新潮社)
染色の仕事で生計を立てている知子。彼女は八年もの間、妻子持ちの慎吾と半同棲し、しかも他に凉太という恋人までいる。
一見奔放に見える知子だが、その実「馴れ合いの関係」にがんじがらめにされ、引くことも進むこともままならなくなっている。
知子と慎吾のように、悪気はないが性悪な人達の話は、読んでいて疲れる。常に誰かが問題を解決してくれるのを待っていて、それは絶望ゆえだとうそぶく。甘ちゃん同士の傷のなめあいに他ならない。
ひとつ、心に残る表現があった。他人を疑うことを知らない慎吾をさして、知子は育ちの良さの鷹揚さだと言い、一方凉太は自分のことしか見えない利己主義だと言う。
きっとどちらも正解なのだろう。
60点
染色の仕事で生計を立てている知子。彼女は八年もの間、妻子持ちの慎吾と半同棲し、しかも他に凉太という恋人までいる。
一見奔放に見える知子だが、その実「馴れ合いの関係」にがんじがらめにされ、引くことも進むこともままならなくなっている。
知子と慎吾のように、悪気はないが性悪な人達の話は、読んでいて疲れる。常に誰かが問題を解決してくれるのを待っていて、それは絶望ゆえだとうそぶく。甘ちゃん同士の傷のなめあいに他ならない。
ひとつ、心に残る表現があった。他人を疑うことを知らない慎吾をさして、知子は育ちの良さの鷹揚さだと言い、一方凉太は自分のことしか見えない利己主義だと言う。
きっとどちらも正解なのだろう。
60点
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