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よしなしごとども 書きつくるなり
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今野敏(新潮社)

 警察庁の長官官房所属の竜崎。自らをエリートと言い切る彼は、周囲には変人扱いされていたが、国家の安全を守るために全力を尽くそうと考え、日々それを実践してもいた。あるとき連続殺人事件が起き、竜崎も警察内部の騒動に巻き込まれていく……。

 頭がコチコチに固くて融通が利かないヤツとして竜崎は描かれているが、嫌悪感はわかない。彼の「エリートには特権もあるが大きな義務もある」という、至極当然な(だが周りには理解されにくい)考え方がストレートに伝わってきて、むしろ好感を覚えた。

 殺人事件捜査の経過と、竜崎の家で起きた「事件」のなりゆきが同時進行で描写されているのだが、話に厚みが生まれて良い構成だったと思う。
80点
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斎藤澪(角川書店)

 病弱な母親と二人、極貧にあえいでいた少女、麻矢。彼女が七つになる年に、母親は自殺した。少女の胸には、母親から繰り返し聞いた、不実な父への怨みが深く刻まれた。「とおりゃんせ、とおりゃんせ……」という、母親が歌う復讐の子守唄とともに。

 謎解きの部分、第7章~終章が読ませる。真実があまりに切なく、麻矢の運命があまりに残酷で、読後感は「悲しい」のひと言に尽きる。
 全体にいろんな話が盛り込まれてて(手相の話、捜査における八何の原則など)興味深く読めた。だが「○○へ行って○○という事実を掴んだ」というように話を端折っているような部分があり、筆者に手抜きをされたような印象を受けた。
70点
佐江衆一(新潮社)

 読んでいるほうもため息が漏れるような作品。老人がもっと老人を介護する話なのだが、悲惨としか言いようがない。
 夫は自分の親の面倒を妻に看てもらうのが気がひけて離婚を切り出す。しかし妻は「あなたは卑怯よ」と応える。妻にして見れば「誰が離婚したいって言った?そんなこと言っている暇があるなら、ばーちゃんのおむつ取り換えてみろってんだ!」と思う訳です。

 長生きしてすみません、と思わせる世の中は、やはりどこか間違っていると思う。私も長生きする予定なので早くなんとかして欲しいものだ。
75点
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