河野多恵子(新潮社)
短編集。タイトルにもなっている『赤い脣』。親戚数人と紅葉狩りにでかけた「私」。孫娘の赤い脣(くち)と紅葉の赤が彼女のなかで交錯して、言い知れぬ不安感に襲われる。
何かと捨て石の多い文章だと思った。主題から逸れているような描写の数々に、回り道をさせられているような気分になるのだが、読了すると無駄な部分などなかったことに気付く。
他には『大統領の死』。正常と異常の狭間で揺れ動く主人公の、その振り幅の取り方がうまい。
70点
短編集。タイトルにもなっている『赤い脣』。親戚数人と紅葉狩りにでかけた「私」。孫娘の赤い脣(くち)と紅葉の赤が彼女のなかで交錯して、言い知れぬ不安感に襲われる。
何かと捨て石の多い文章だと思った。主題から逸れているような描写の数々に、回り道をさせられているような気分になるのだが、読了すると無駄な部分などなかったことに気付く。
他には『大統領の死』。正常と異常の狭間で揺れ動く主人公の、その振り幅の取り方がうまい。
70点
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