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グロテスク

桐野夏生(文藝春秋社)

 スイス人と日本人の混血児である「わたし」とユリコ。凡庸な「わたし」と絶世の美少女ユリコは互いを憎悪し合う。
 やがて二人は、とある一流学園の生徒となり、和恵とミツルという少女たちと出会う。四人の人生は、交錯しながら次第に奈落の底へと落ちてゆく……。

 なんてタイトルどおりの作品なのだろう。主人公の四人が四様の異常さで迫ってくるのだ。
 まず主な語り手である「わたし」。彼女は悪意のかたまりのような人間で、その話を信用していいのかどうか分からないような仕掛けになっている。
 娼婦となったユリコと和恵の手記もまた凄まじい。人はどこまで堕ちることができるのか、競い合っているかのようだ。

 起承転、まで面白く読んだが、結がよくない。この部分は不必要な気がしたのだが、すべてが過剰なこの作品、最後まで「行き過ぎ」感を出したのかもしれない。
80点
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庭ができました

銀色夏生(角川書店)

 著者が昔住んでいた土地に家を建て、庭を造った。その一年にわたる、庭が出来ていく過程の写真集。

 300坪という広大な土地。好きな木はすべて植えたという木々。花、石、ガーデンファニチャー、屋根つきの渡り廊下、デカいガレージと倉庫……その庭の第一印象は「いったいいくら掛かったのだろう?」であった。
 ここまですごいと嫉妬心は湧いてこず、ただ驚くばかりであった。
 この奔放でだだっ広い庭が、今現在どうなっているのか気になるところである。
60点

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