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小指の先の天使

神林長平(早川書房)

 中・短編が六作品収められている。
 これぞSF、というにおいの強い作品ばかりである。近未来のような設定、仮想と現実が入り混じる世界。純然たるSFモノを久々に読んで、懐かしさを感じた。

 六編の中では比較的分かりやすかった「意識は蒸発する」を紹介しよう。
 コンピュータの仮想空間へダイビングする実験をしている「わたし」。気が付くと、入国管理事務局の前に佇んでいた。空気もあり建物もあるが、そこは完璧に無人の世界であった……。
 ラストの「わたし」の気付きが、この作品の結論であろうか。現実世界においては「わたし」の意識はやがて消えてなくなる。どこかしらに保存されることは、ない。その確信を得た彼は、世界を、人生を達観したかのようである。
60点
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