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ヘヴン

川上未映子(講談社)

 学校でひどいいじめに遭っている、中学生の「僕」。やはり同じようにいじめられているコジマという女子生徒から手紙が届く。2人は何度も手紙をやりとりし、たまに2人だけで会うこともあった。やがて「僕」に対するいじめは激しさを増し、「僕」の心は壊れ始めてゆく……。

 コジマはいじめる側の人間について「何も考えてないし、わかっていない。人の痛みなんて考えたこともない」と言う。核心を突いている。
 それが証拠に、「僕」をいじめている百瀬という生徒は、「僕」に言う。
 したいことをやっているだけで、人の気持ちなんて知らない。君が僕だとして、同じことをする? しないし、できないんだよね? 僕はそれができる、ただそれだけのシンプルな話だ。
 こんな、狂った賢い子が、いま増えているのかもしれない。良心に訴えても無駄な彼らに、大人が為すべきことはあるのだろうか。
 もちろんこれは虚構の世界だが……昨今、いじめを警察に訴える事例が増えているという。それも無理からぬことかもしれない。
85点
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