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光ってみえるもの、あれは

川上弘美(中央公論新社)

 男子高校生の翠は、母と祖母との三人暮らし。平山水絵という恋人もいるし、花田という友達もいる。ごく普通の高校生。
 と彼は自分では思っているが、実は常人とは少しずれた感覚の持ち主なのであった……。

 読売新聞に連載されていた当初も、毎日楽しく読んでいたが、こうして単行本になったものを通して読むと、またいっそう惹き込まれる。
 高校生という、大人でも子供でもない中途半端な状態にいる翠は考える。「自由とは、なんとよるべないものなんだろう。自由とは、なんとこころぼそいものなんだろう」。
 自分が高校生の頃に漠然と感じていた不安感というものを、翠が代弁してくれたような気がした。
 川上氏は嘘ばなしも上手だが、やはりこうした本当らしい小説のほうが私は好きだ。
90点
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