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よしなしごとども 書きつくるなり
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折原一(講談社)

 山本は「月刊推理新人賞」に応募すべく『幻の女』を書き上げた。作品には絶対の自信があった。が、ミスと偶然が重なって、作品は盗作されてしまう。犯人は一体誰なのか?

 極端に評価が分かれるという叙述トリック。本書はそれを用いて書かれている。私はと言えば、この手法は好きではないかもしれない。ピンとこないというか、読み終わった瞬間の開放感がないのが愉しくなかった。一拍おいてから「あぁ、そういうこと」なんて思うのは、愉しくない。
 それから、手記のかたちをとっているので、わざとそうしているのかもしれないが、文章が素人くさい感じがした。スピード感があって読みやすいのだが、平凡な表現でさらっと書かれている部分が多く、深みがない。
60点
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