小川洋子(講談社)
小説家である「わたし」は、物体と共に記憶をも消滅し続ける奇妙な島に住んでいる。
彼女は、記憶を失わない編集者のR氏を自宅にかくまうことになる。その特性を持つ者は、秘密警察に捕らえられてしまうからだ。
この本だけ特別な活字で組んであるのかと思ってしまった。それくらい文字が美しく見える作品なのである。
島の人々は、抗えない運命を淡々と受け入れてい、「在るもの」だけでなんとか生きていこうとしている。
そのあまりの静けさに、ときに苛立ちさえ覚えた。しかし次第に、彼らなりの身の処し方に納得させられ、ラストの圧倒的な寂寥感もすんなり受け入れられた。
85点
小説家である「わたし」は、物体と共に記憶をも消滅し続ける奇妙な島に住んでいる。
彼女は、記憶を失わない編集者のR氏を自宅にかくまうことになる。その特性を持つ者は、秘密警察に捕らえられてしまうからだ。
この本だけ特別な活字で組んであるのかと思ってしまった。それくらい文字が美しく見える作品なのである。
島の人々は、抗えない運命を淡々と受け入れてい、「在るもの」だけでなんとか生きていこうとしている。
そのあまりの静けさに、ときに苛立ちさえ覚えた。しかし次第に、彼らなりの身の処し方に納得させられ、ラストの圧倒的な寂寥感もすんなり受け入れられた。
85点
PR
この記事にコメントする