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余白の愛

小川洋子(中央公論新社)

 夫に突然離婚を突きつけられ、突発性難聴になってしまった「わたし」。
 彼女はとある座談会でYという速記者と出会う。Yの、細やかで無駄のない指先の動きに、彼女は釘付けになる。やがて再会を果たした二人は、ゆっくりと、ひっそりと打ち溶け合ってゆくのだった。

 浮気や離婚に関する生々しい描写と、「わたし」とYの形作る、幻想のような世界の描写との対比が際立つ。ジャスミンの香りただようホテルの一室、行き先の分からないバスなど、心地よく現実離れしていて良かった。
 ただ、終盤の展開はあまり気に入らなかった。「わたし」がYを呼び付けるシーンなど、その度を越えた弱さに唖然とさせられた。
70点
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