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よしなしごとども 書きつくるなり
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遠藤周作(新潮社)

 切支丹が激しく弾圧されていた時代、遠くポルトガルから、命からがら日本へとやってきた司祭、ロドリゴ。彼もやがては囚われの身となってしまう。最後の瞬間、彼は踏み絵を踏むのか否か。

 宗教についてここまで考えさせられたことは、未だかつてなかったように思う。
 棄教を迫られ、自らの命が危険に晒されても信仰を捨てない信徒たち。だがどんなに苦しんでも悲しんでも神は「沈黙」しているのである。それはなぜか。
 神とはひたすら「感謝」を捧げるためだけの存在なのか。それ以前に、存在として捉えていいのか。
 無宗教の私には重すぎるテーマではあった。だが心を打つ素晴らしい作品であったことは間違いない。
90点
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