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よしなしごとども 書きつくるなり
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内田百間(新潮社)

 人を喰ったような百鬼園先生が、あちこちで巻き起こす珍騒動。特に面白かったのが、やはり借金話。
 借金取りがやってくるので、給料日が嫌だという。原稿料が入っても借金取りがやってくるので、文をひさぐことを止めたいという。
 そんなぐだぐだな話なのだが、どう考えてもヘンな話を、まじめくさって語る先生がおかしくてしょうがない。
 また、高利貸しを訪ねて行ったときに家を間違えてしまい、そこの家人に笑われて「私はかますの干物のように痩せ衰えて、その家を出た」とあって、ひひひひと笑ってしまった。

 それから他人のいびきは「ほら穴に泥水が吸い込まれるような、ぐわばッと云う音を発して破裂するのである」。
 随所にある、こういうとぼけた表現が本当に楽しかった。
 ※著者名の「間」の字は、本当は門構えに日ではなく月です。
80点
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