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よしなしごとども 書きつくるなり
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伊坂幸太郎(角川書店)

 死ぬ予定の人間を七日間調査して「可」「見送り」のいずれかの判定を下す死神、千葉。彼が調査した六人についての連作短編集。

 『旅路を死神』が良かった。
 殺人犯である森岡は、千葉の車に乗り込んできて、北へ向かうことを指示する。森岡が告げた行き先は十和田湖。道中、千葉は森岡の胸中を探るが……。
 どこまでも淡々としている千葉、幼稚で浅はかな森岡、そのやり取りが絶妙である。
 次第に明らかになる森岡の過去も、ミステリーの味付けがなされていて、かなり引き込まれた。
 一歩間違えばキワモノになってしまいそうな「死神」というモチーフを、筆者はやすやすとこんなに心躍る、しゃれた小説に仕立て上げてしまった。その手腕に感服した。
95点
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