伊坂幸太郎(角川書店)
怪しげな会社に所属する「鈴木」は、ゆきがかり上、押し屋を追うはめになる。路上で人を押して車に轢かせる押し屋。そう目されたのは「槿(あさがお)」という謎の男。
平行して進むのは、人を自殺させるのが仕事の「鯨」と殺し屋「蝉」の話。
鯨と蝉の描写に惹きつけられた。対峙する相手の生気を奪う、まるで死神のような鯨。悪の化身のような蝉。二人の差しの勝負には息を呑む迫力があった。
対する鈴木の凡庸さは、ストーリーの小休止、ノーマルな人間のサンプル、といったところだろうか。彼については妻との思い出話が少々うっとうしかった。
男性の登場人物と比べると、女性たちは類型的に過ぎるような気がした。特に槿の妻・すみれは男性小説家の描く(夢見る?)可愛い妻そのものだった。
85点
怪しげな会社に所属する「鈴木」は、ゆきがかり上、押し屋を追うはめになる。路上で人を押して車に轢かせる押し屋。そう目されたのは「槿(あさがお)」という謎の男。
平行して進むのは、人を自殺させるのが仕事の「鯨」と殺し屋「蝉」の話。
鯨と蝉の描写に惹きつけられた。対峙する相手の生気を奪う、まるで死神のような鯨。悪の化身のような蝉。二人の差しの勝負には息を呑む迫力があった。
対する鈴木の凡庸さは、ストーリーの小休止、ノーマルな人間のサンプル、といったところだろうか。彼については妻との思い出話が少々うっとうしかった。
男性の登場人物と比べると、女性たちは類型的に過ぎるような気がした。特に槿の妻・すみれは男性小説家の描く(夢見る?)可愛い妻そのものだった。
85点
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