Back To The Past
よしなしごとども 書きつくるなり
九月が永遠に続けば
沼田まほかる(新潮社)
八年前に離婚した佐知子は、高校生の息子と二人で暮らしていた。その息子がある日失踪してしまう。必死に行方を捜す佐知子だったが、ほどなくして彼女の愛人が事故死する。二つの出来事はどうやら無関係ではないらしい。深まる謎の中で佐知子の焦燥は募ってゆくのだが……。
佐知子がときに突拍子もない言動にでるので、そのへんがちょっと白けた。が、テンポ良く進むストーリーと次々と明かされる驚愕の真実に、ほとんど一気読みしてしまった。
難点は佐知子の別れた夫の後妻の描き方、であろうか。男を狂わせる魔性の女だということは理解したが、ここまで卑猥な描写が果たして必要だったのだろうか。
80点
八年前に離婚した佐知子は、高校生の息子と二人で暮らしていた。その息子がある日失踪してしまう。必死に行方を捜す佐知子だったが、ほどなくして彼女の愛人が事故死する。二つの出来事はどうやら無関係ではないらしい。深まる謎の中で佐知子の焦燥は募ってゆくのだが……。
佐知子がときに突拍子もない言動にでるので、そのへんがちょっと白けた。が、テンポ良く進むストーリーと次々と明かされる驚愕の真実に、ほとんど一気読みしてしまった。
難点は佐知子の別れた夫の後妻の描き方、であろうか。男を狂わせる魔性の女だということは理解したが、ここまで卑猥な描写が果たして必要だったのだろうか。
80点
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思考の整理学
外山滋比古(筑摩書房)
「考えるってなぁに?」を教えてくれる本。
論理ばかりこねくり回してわけが分からない本が多いなか、本書はきっちりと具体例を示していて明快でいい。
試験の前日、まったく関係ない本が目に留まり、ふと読んでしまう、ずんずん読んでしまう。それがきっかけとなって新しい関心の芽が出てくるなら、それも良し、とか。
浮かんだ考えを書きとめておくノートの作り方(図解入りでかなり詳細)、とか。
しかし何といっても本書の読みどころは「文庫本のあとがきにかえて」ではないだろうか。
アメリカ人は言う、日本人は二言目には「I think……」と言うが、そんなに思索的なのか?
これはただ断言するのが苦手な日本人が、文末に「……と思います」と言っているだけだというオチ。では「I think」の核心に迫るにはどうしたらいいのか。答えは本書にある。
70点
「考えるってなぁに?」を教えてくれる本。
論理ばかりこねくり回してわけが分からない本が多いなか、本書はきっちりと具体例を示していて明快でいい。
試験の前日、まったく関係ない本が目に留まり、ふと読んでしまう、ずんずん読んでしまう。それがきっかけとなって新しい関心の芽が出てくるなら、それも良し、とか。
浮かんだ考えを書きとめておくノートの作り方(図解入りでかなり詳細)、とか。
しかし何といっても本書の読みどころは「文庫本のあとがきにかえて」ではないだろうか。
アメリカ人は言う、日本人は二言目には「I think……」と言うが、そんなに思索的なのか?
これはただ断言するのが苦手な日本人が、文末に「……と思います」と言っているだけだというオチ。では「I think」の核心に迫るにはどうしたらいいのか。答えは本書にある。
70点
破線のマリス
野沢尚(講談社)
瑤子はテレビ局で働く、腕の良い映像編集者だった。
あるとき、見ず知らずの男性から一本のビデオテープを手渡される。そこには郵政省の官僚が、ある殺人事件に関わっているかのような映像があった。
瑤子は作為的にそのビデオを編集し、電波に乗せてしまう。彼女の恐怖はそこから始まった……。
読んでいる間中、瑤子の我の強さに辟易した。彼女はいつも孤軍奮闘しているように描かれているが、それはそうなるべくしてなっているだけで、同情の余地も無い。
ラストも救いがなく、後味の悪い作品だった。
55点
瑤子はテレビ局で働く、腕の良い映像編集者だった。
あるとき、見ず知らずの男性から一本のビデオテープを手渡される。そこには郵政省の官僚が、ある殺人事件に関わっているかのような映像があった。
瑤子は作為的にそのビデオを編集し、電波に乗せてしまう。彼女の恐怖はそこから始まった……。
読んでいる間中、瑤子の我の強さに辟易した。彼女はいつも孤軍奮闘しているように描かれているが、それはそうなるべくしてなっているだけで、同情の余地も無い。
ラストも救いがなく、後味の悪い作品だった。
55点
切り裂きジャック・百年の孤独
島田荘司(集英社)
1888年、ロンドン中を震え上がらせた「切り裂きジャック」。百年の時を経て、ベルリンで同様の事件が起きる。二つの事件は関係があるのか、ないのか。
百年前の事件は迷宮入りしているが、本書はその謎をも解いている。犯人の動機は非常に意外なもので、でもありえなくはないと思わせる、説得力のあるものであった。
しかし、現代に同じような事件が、同じような原因で起こるという部分は、少々無理があるのでは。どうせなら、動機が全く違ったものだったら、もっと驚かされたのでは? と思うのだが。
70点
1888年、ロンドン中を震え上がらせた「切り裂きジャック」。百年の時を経て、ベルリンで同様の事件が起きる。二つの事件は関係があるのか、ないのか。
百年前の事件は迷宮入りしているが、本書はその謎をも解いている。犯人の動機は非常に意外なもので、でもありえなくはないと思わせる、説得力のあるものであった。
しかし、現代に同じような事件が、同じような原因で起こるという部分は、少々無理があるのでは。どうせなら、動機が全く違ったものだったら、もっと驚かされたのでは? と思うのだが。
70点
育てたように子は育つ
相田みつを・佐々木正美(小学館)
「子育て」に関連性のある詩をまとめた詩集。帯にある「心の休憩室」という言葉が、的確に本書の内容を表していると思う。
ひとつひとつの詩に解説があって、それもまた心に響く。
読んだ瞬間は「そうだよねぇ。子供の良いところに目を向けてあげないとね」とつくづく思わされた。
ま、でもそんな思いは、子供を前にすると吹っ飛んでしまうのが世の常でして、日日是葛藤。
75点
「子育て」に関連性のある詩をまとめた詩集。帯にある「心の休憩室」という言葉が、的確に本書の内容を表していると思う。
ひとつひとつの詩に解説があって、それもまた心に響く。
読んだ瞬間は「そうだよねぇ。子供の良いところに目を向けてあげないとね」とつくづく思わされた。
ま、でもそんな思いは、子供を前にすると吹っ飛んでしまうのが世の常でして、日日是葛藤。
75点
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