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よしなしごとども 書きつくるなり
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望月諒子(集英社)

 文芸誌の編集長である三村は、あるとき広瀬と名乗る医師からの連絡を受ける。彼の患者が突然小説を書き始めた、患者は三村のことを知っていて、彼に原稿を送ると言っているという。
 小説のタイトルや内容を聞いて、三村は愕然とする。それは失踪したある作家志望の女性が、以前彼に見せたそれと同じだったのだ……。

 途中まではホラーの匂い漂うストーリーなのだが、ミステリーらしいオチもあり、霊が、怨念が、というただ怖いだけの話ではなかったのが良かった。
 ただ、いろいろな要素が絡み合って……失踪した女性の行方、盗作疑惑、幼児誘拐事件……少々盛り込みすぎの感がある。作中作の引用もしつこ過ぎる気がした。
75点
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村上春樹(講談社)

 売れましたね、この本。確かにおもしろい。タフで普通の緑、もろくて危なっかしい直子。このコントラストが良い。きっと男性は直子タイプに弱いんだろう、と予想しながら読んだらやはりそうだった。

 感心したのは数々の挿話。筆者の作品は、いつもこの挿話にオリジナリティがあって上手いと思う。
 ピアノを教えていた美少女が自分で服を破って「あの人(女性)に乱暴された」と嘘をつく話。こんなことありえないと思う反面、こういう悪魔的な人間はいるかもしれないとも思う。筆者のテクニックに感服した。
85点
森鴎外(新潮社)

 表題作が有名どころだが、私が一番気に入ったのは「杯」である。
 11、2歳くらいの数人の女の子が、泉のほとりで、銀の杯で水を飲んでいる。そこへ碧眼の少女がやってきて、やはり水を飲もうとするのだが……。
 ほんの数ページの短い作品であるが、そこには選りすぐりの美しい日本語が、詩のように並んでいる。
 少女たちの赤いリボン、泉に投げ入れられたほおずき、銀の鈴を振るような笑い声。こんな情景描写に出会えるから、日本のちょいと昔の純文学を読むのは止められない。
80点
村上龍(幻冬舎)

 13歳のための、好奇心の対象別職業案内。
 いわゆる専門職の紹介が多いせいか、聞いたこともない職業がけっこうあった。それを読むだけでもとても興味深かったが、筆者と交流のある「プロ」の逸話が、ひときわ面白かった。坂本龍一、コッポラ監督と、名立たる天才たちの振る舞いは、やはりひと味ちがうのであった。
 しかしながら、筆者が書いていることは所詮絵空事というか、理想論であるような気がした。サラリーマンやOLを選択肢から外せ、というのはかなり厳しい意見なのではないだろうか。

 初めから夢を捨てたような人生はつまらないかもしれない。でも特別な才能が無い人間はごまんといるのである。
 あるかないかの才能に縛り付けられて、人生を棒に振るか。地味でもサラリーマンとしての仕事を全うするか。後者を選んだとて、何ら恥じることはないはずである。
70点
森博嗣(講談社)

 ある大学の研究施設で、殺人事件が起きる。現場は完全な密室。偶然現場に居合わせた犀川助教授と大学生の萌絵。彼女が事件の謎を解こうと必死になるのを、犀川は苦々しく思っていた。やがて次の事件が起こり、萌絵は生命の危機に晒されるが……。

 「すべてがFになる」を読んだときはかなり面食らったが、こちらの第二作のほうは、多少読み易くなったような気がした。登場人物たちの特異なキャラクターに慣れただけかもしれないが。
 密室の謎については(たぶん)完璧な説明がなされていたが、私のように理解できずとも悲観することはない、と思う。所詮、作家が都合のいいように作った世界なのだから(負け惜しみ)。
75点
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